6/7公演迫る「燃えよ剣」主演・十朱幸代単独インタビュー

2014.04.29更新

6月7日にプラザイーストで公演を予定している司馬遼太郎の名作「燃えよ剣」の主演を務める女優十朱幸代さんに今回の公演への見どころなどを語っていただきました。


★ 台本を読んだ最初の感想は?

十朱  「お雪で物語が成り立つんだ」と驚きました。原作は新撰組の土方が主人公のお話ですから。それに声を出して読んでみると、絵がすごく浮かんでくる。映像でもいいなぁ、と思いましたね。


★ お雪はどういう女性だとお考えですか?

十朱  武家の妻でしたが、夫がもう亡くなって、一人で絵の勉強をしている。あの時代にしてはしがらみも少なく、自立している女性。土方と精神的に対等に向き合える人ですね。土方とは年齢も近いんでしょうが、二人のやりとりから「お雪は年上なのかなぁ」って感じられるような余裕がある。二人の恋愛だけをとれば、現代にも通じるところがあり、時代を感じさせませんね。


★ 土方が非常に魅力的です。

十朱  そうですね。私にとって土方は新撰組の男のだけの世界の人で、これまであんまり色気を感じなかったんですが、お雪を通すとセクシーな男性に思えます。また、土方は新撰組の中でも冷血なイメージとして描かれていることが多いのに、この物語ではプライベートで自分の素や、弱い部分、女に慣れていないところをさらけだしている。そこがまたお雪にとってみれば愛おしいんじゃないでしょうか。


★ 二人の恋愛は、途中までは非常にストイックですね。手も握らず話すばかり。

十朱  土方は女に深入りしたくない気持ちがあり、昔の男性だから恋愛に関して照れ屋な部分もある。でもお雪にはどうしても引かれてしまう。そんな土方を見通しているでしょう。お雪のほうは冷静で、土方より一枚上手な感じです。


★ 余裕のあるお雪ですが、表に出さなくても土方には一途ですね。最後には彼を訪ねて北海道まで行くくらいの積極性もあります。

十朱  非常に行動的ですよね。二人の恋愛は、最終的に土方の死が避けられないという、特殊なシチュエーションの中にある。死による永遠の離別という結末が分かっているからこそ、お互いを慕う心が純粋に高まっているようです。今の恋愛は即物的になりがちで、逆に精神面が希薄でしょう。こういう恋愛には、ちょっと憧れますね(笑)。


★ 「これが最後の逢瀬」と分かっていても、二人のやりとりには軽妙さがあります。深刻一辺倒にならない。

十朱  そこが大人のかけひきなのかなと思います。ストレートに「好き・嫌い」とぶつかり合うだけでなく、ちょっとゆとりがある。シリアスに考えれば、土方のように闘いが大好きで死んでいく人に「愛してます」って言うのは、つらいものにならざるを得ない。でもそうならないのは、大人同士の恋愛だからではないでしょうか。


★ 一人芝居の難しさはどういうところでしょうか。

十朱  全編通して休みなく、ちょっと一息つくこともなく芝居をしていなくちゃならない。自分のあらゆる側面を見せなくてはいけないし、お客さまに全て観られている。体力も必要だし、精神的に途切れないことも重要になりますから、要求されることは多大ですよね。ただそれは演じる側だけの都合で、観ているお客さまは他の芝居と同じようにご覧になって評価されるわけですから、芝居が不出来であっても「一人で演じていたので」という言い訳はききません。自分を高めるという意味では、何度でもやってみたいと思っています。

★ これからやりたいことは

十朱  今は目いっぱいで考えられません。最近の私は、毎回「この舞台が最後かな」と思います。目の前の芝居にありったけの自分を注ぐしかありません。

聞き手/本間ちえこ(月刊キャレル編集部)


十朱幸代主演
司馬遼太郎「燃えよ剣」公演概要

≪日程≫平成26年6月7日(土)

≪開演≫
15時 (開場は開演の30分前を予定しています)

≪会場≫
プラザイースト ホール

≪料金≫
全席指定 4,000円
SaCLa友の会 3,600円

≪出演≫
十朱幸代・宮川彬良

≪お問い合わせ≫プラザイースト 048-875-9933

【スタッフ】
原作:司馬遼太郎『燃えよ剣』(新潮文庫)より
上演台本・演出:笹部博司
音楽:宮川彬良
ステージング:舘形比呂一
照明:山口暁
音響:高橋巌
ヘアメイク:鎌田直樹
舞台監督:加藤事務所

制作協力:オフィスサラ
企画製作:りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館

主催:(公財)さいたま市文化振興事業団
共催:さいたま市

テーマ:イベント・講座など

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